参謀note
経営と教養のための名言マラソン
グレの名言マラソン Vol.178
みんな、目の前の損得を気にしすぎるような気がする。
これは割に合わないからやめようとか。
でも、人生は目先の損得では決まらない。
(パパイヤ鈴木 振付師)
かつて阪急百貨店梅田本店の大食堂では「ソーライス」という裏メニューがあった。
当時の人気メニューは「ライスカレー」、これにソースをたっぷりかけて食べる。これが当時の流行だったが、昭和恐慌の真っただ中、生活に苦しむ若いサラリーマンを中心にライスカレーではなく、ライスだけを注文し、それにソースをたっぷりかけて食べる客が多く現れた。
百貨店の上層部はこの事態を問題として「ライスだけの注文はご遠慮くださいませ」と張り紙をして、そういったお客を締め出そうとした。
ところが創業者の小林一三氏は、むしろ歓迎する姿勢をとり、「ライスだけのお客様を歓迎します。」と張り紙をし、翌日の新聞に「当店はライスだけのお客様を歓迎します。」と、広告まで出したのである。
従業員の中には、この対応に疑問を持つものや反発するものも多かったが、小林氏は「確かに彼らは今は貧乏だ。しかしやがて結婚して子どもを産む。そのときここで楽しく食事をしたことを思い出し、家族を連れてまた来てくれるだろう」と言って諭したという。
その後、実際に関西財界人の間でソーライスを懐かしむ声が多くあり、景気が持ち直してからもあえてライスだけを注文し、懐かしい思いでソーライスを食べ、高額のチップを皿の下に忍ばせた。そんなエピソードが数多くあったという。
人生は短いようで長い。
目の前のことを大事にする姿勢も必要だが、長期的な視点で今を考えることも大事。
視野を広く持ち、様々な視点から物事を見て、楽しく充実した人生を過ごしてまいりましょう。