参謀note
参謀の本棚
書籍レビュー|悪女について
1983年刊行と古い本です。時代背景も古いのですが、人に対する見方について考えさせられる一冊です。
■ザっとあらすじ
富小路公子という女が死んだ。自殺か他殺かは分からないが、週刊誌はその女性を「虚飾の女王」と書き立てた。が、本当はどうだったのか。27人の登場人物が、それぞれの視点から彼女を語る。そこから見えてくる富小路公子とは…。
■ネタバレを含んで感想
結論を言ってしまうと、富小路公子が「悪女」だったかは分からないままです。語る人によってその評価は様々。確かに、虚言癖の気があって多くの人を騙していましたが、一方で人を救っていた一面もあります。どんな人も、見る角度によっては善人にも悪人にも見えるし、同じ行動でも人によって見方も様々。万人が見て善人や悪人なんてのはいない、ということが学びのポイントかなと思います。
参謀 川勝洋輔