参謀note

経営と教養のための名言マラソン

グレの名言マラソン Vol.196

自己自身を修めるには、あまり効果を期待せず、静々と人知れずやられるといい。

それを続けていると、風格というものができてくる。

(伊與田 覺 論語普及会学監)

 

「おさめる」という言葉を漢字に変換すると、「収める」「納める」「治める」「修める」となる。

 

「修める」とは、行いや人格を正しくする。

心や行動が乱れないように整えること。

 

モノをどこかに「収める」のは、よほど重いものでない限り、やろうと思えば、すぐにできることだろう。

 

しかし、自分自身を「修める」ことは、それ相応の知識と経験の積み重ねが必要になる。

 

コツコツと知識の習得を行い、それを実践で活かす。

それを繰り返すことで、自分自身を修めることができ、いざという時に実力を発揮することができる。

 

そのことが表されたエピソードがある。

アポロ11号が月面着陸に成功し、人類が初めて月到達した。

人類にとって大きな一歩を記したアームストロング船長、彼はその3年前に宇宙空間で突然の事故に巻き込まれている。電気系のトラブルから宇宙船が回転をし始め、毎秒1回転以上のスピードとなってしまい、船内は様々なものが飛び交い、洗濯機の中にいるような状態で、自分自身も壁や天井に何度も体をぶつけられる。無重力空間でそういう状態になってしまうと、重力のある地球とは違って、回転は永遠に続く。

 

そんな状態の中、アームストロング船長は冷静に状況判断し、繰返し行われた訓練の通りに対処を行い、無事に地球に生還することができた。

 

もしもこの事故が人命を失う大惨事となってしまっていたら、アポロ計画はどうなっていたかわからない。

 

自分自身の成長は自分では感じにくいものである。

 

だから自分の成長にはあまり大きな期待はせずに、目指す目標に向けて知識の習得とその知識の実践を静々と行い、どんな困難をも乗り越えられる実力を養って、人としての風格を高めて参りましょう。