参謀note

経営と教養のための名言マラソン

グレの名言マラソン Vol.203

心ここにあらざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえどもその味を知らず。

(儒教の教典『大学』より)

 

始めてラクダを見た者は、得体のしれない動物と感じてその場から逃げだした。

 

しかし、2度目に見た者は近づいてい見た。

 

さらに3度目に見た者は、ラクダの顔にくつわをはめ、それに手綱をつけた。

 

一見恐ろしい動物と思えたラクダも何度も見ているうちに、慣れてきて可愛げも感じるようになった。

 

ある島で見張りに立たされていた者が、海上の遠くに浮かぶ何かを見て、軍艦が向ってきていると思った。しかし、しばらくすると小舟が漂っているように思えた。さらにしばらくすると雑多なものが入った布の袋に見えた。最後には、海に浮かぶ棒きれだと分かった。

 

物事はよく見てみないと分からないということを表す寓話である。

 

よく見るとは、何度も見ること、そして近づいてみること。

 

では、近づいて何度も見れば、どんなことも理解できるかというと、そうとは限らない。

 

一番大事なことは心の在り方であるということを、儒教の経典『大学』は教えてくれている。

 

人に対する印象はほぼ第一印象で決まるというが、人からの見られ方はそう思っておいた方がいい。でも、自分が人や物事を見るときには、心をしっかり相手や対象のものに向けて、できるだけ近くで何度も見ていくようにしたいと思います。