参謀note

小規模事業者へのメッセージ

【緊急】倒産防止のための具体策について

事業者の皆様におかれましては、COVID-19の影響の程度はどれほどでしょうか。

長年、小規模事業者とかかわってきているので、いろいろなことを考え、いろいろな方の顔が浮かびます。

 

政府からの事業者に対する、大胆かつ緊急的な救済措置が出されていますが、金融機関窓口がかなり混み合っているため、実行までにはもうしばらく時間がかかりそうです。

 

金融機関に勤める友人とも話しているのですが、現時点(4月10日)で4号認定の融資の実行は、おそらく5月を跨ぐだろうとの見解でした。

 

現在、ご契約させていただいている顧客の一部と、さらに私 青木が過去に金融業を営んでいた頃の顧客、さらには雑貨輸入業を営んでいた頃まで遡って、関わりがあった先へ連絡してみました。

 

3日間で件数は160件ほどでしょうか。

緊急的な業務も行いながらなので十分だったとは言えませんが、とにかく「生の声」を必死に集めました。

 

おおよそ、一人当たり短くて3分、長くて10分ほどだった思いますが、挨拶もそこそこに現況をお伺いしました。

 

残念ながら連絡のつかない元顧客もいましたが、そこから垣間見えた風景と、倒産の未然防止のために伝えるべき点が浮き彫りになりましたので、まずその中でも特に緊急的に気を付けておきたい点についてお伝えします。

 

 

店舗の空き巣被害には注意してください

 

まず先に、残念なことに空き巣(店舗、自宅ともに)被害と車上荒らしが増えていると聞きます。

自分の感覚よりも、10倍以上は高いと感じました。

 

私が、直接間接問わずに知る先だけでも、この記事を書いている4月10日時点で被害にあったと3件聞いています(すべて店舗で破損以外に特に損害はなし)

 

今の状況からすると、事業者にとっては泣きっ面に蜂ですので、例外なく被害に遭遇するものとして危機感を持って事前対策に取り組んでいただきたいと思います。

 

決して不安を煽る意味ではなく、COVID-19の感染拡大被害による影響は、これまでの災害と比べても、少し異様な感じを受けています。

 

景気が悪化する局面では、悲しいですがまじめな求職者までもが、加害者になります。

 

加害者になるまでの経緯はあまり難しくない構図ですが、先日雑談の一環で、話を伺うに相応しい職業で立場のある方から聞かせてもらいました。

 

私が感じた印象では、誰もが陥るものだということです。そして本当にすぐ身近に居るということです。

特に現在のような状況では、そうなっても不思議ではないと感じました。

 

ですので、特に店舗型は出来る限り在庫まで含めて厳重な管理をした方が良いです。

当然ですが、金品については一切置かないことです。

できることならば、在庫まで持ち帰った方が良いと思います。

実情、難しいことは理解しますが。

 

今の時代は、窃盗した商品はネットで転売ができることから「こんなものはさすがに取らんやろ?」というものまで盗まれるケースも珍しくないとのことです。

 

被害にあうことを実際に想定した、事前対策を検討し即実施してもらうことを強く勧めます。

 

「やろうと思っていたのに……」とならないようにして頂きたいと思います。

 

 

業界別で感じた特徴

 

以下、小規模事業者を前提としたものとして理解してください

 

製造及び建築関係全般

 

中国からの輸入部材が不足し始めています。

 

田舎町に住まれている個人宅の工事、役所関係の施設工事についてはこれまでも順調に現場が回っていましたが、キッチン、トイレ、建築部材、塗料などが届かない状況になりつつあった中、この度の緊急事態宣言の発令による影響もあり、現場は落ち着き始めています。

 

実はこれ、資金繰り悪化による「不渡り」を誘発すると考えています。

 

この「不渡り」は、徐々に仕事が減りながら、手形による支払い期日が当面先であることで起こるものです。

 

売上の入金が少ない時期に、仕入れが多かった時期の支払いが巡ってくるためです。

 

製造業と建築業界は、未だに手形の流通量が非常に多い業界です。

 

 

事前対策としては、立場を3つと考えて最低限の対策をお伝えしたいと思います。

 

 

1.振出人の場合

 

事態を鑑みた期日の延期申し出(手形期日のジャンプと言います)を行うことが賢明です。

 

期日までに余裕があったとしても最優先で行う点です。

 

具体的な対策については、とにかく振り出し先(手形を切った先)への確認と、協議日程の申し出を行い、約束した日を紙面に残しておいてください。

 

ただし、すでに支払いで裏書譲渡されている場合は、振り出し先と共にその先を追跡し、どこまで裏書譲渡されているか早急に調べてください。

 

その場合、交渉に時間が必要になることが多いです。

この点から、期日に余裕があっても最優先に取り組んでいただきたいと顧客にはお伝えしました。

 

 

2.受取人の場合

 

振出人の場合としてお伝えした内容からすると、やや矛盾も生じるのですが、振出人の倒産計画に加担する可能性があることを理解し、慎重になってください。

 

対策はいろいろとあるのですが、少々手間がかかります。

 

金額と期日の分割、担保提供依頼、裏書人の追加依頼などが代表例であり、間違いなく必要になる場面です。

相手から提示される条件や、様子をよく観察してからの判断を行ってください。

 

 

3.裏書人の場合

 

要件が整わないと不利になることがあります。

 

期日直前ならば、一旦自社の口座への取り立て依頼のための入金を済ませたあとに、依頼返却手続きを行わなければ、先順位の裏書人への遡及権が失われるので、よく理解し対策を講じてからの適切な対応を行うようにしてください。

 

さらに、細かい話になりますが、受け取った手形の預入先が都銀なのか、信金や信組などの地域に根差した金融機関かによって、自社が倒産となった場合の対応に違いが生じます。

 

この点はあまり知られていませんが、また別の機会でコラムか、参謀noteの記事で書きたいと思います。

 

それなりの規模の企業でも、このあたりのことに非常に甘い判断の経営者が実在します。

 

手形の事故(不渡り)については、あとになって「知らなかった」では決して済まされません。

 

くれぐれも気を付けてください。

 

 

 

小売り

 

小売店、特に店舗型については、私の連絡した事業者に限った話かも知れませんが、おおよそ3分の1の店舗が閉店を検討しはじめている状況です。

 

現時点ではまだ様子伺いですが、とにかく銀行へのリスケは当然として、家賃の「一時減額交渉」、または分割交渉は検討していただきたい点です。

 

ただ、賃借人自ら交渉した場合は失敗することが多いです。

 

店舗物件のオーナーが大手なのか、個人に等しい法人や個人所有なのかで異なります。

 

しかるべき立場の方から交渉をしてもらうことが望ましいです。

稀に、供託制度を利用する必要もありますが、揉める結果になることもあるのでオーナー側との関係性を鑑みた方法が必要です。

 

家賃交渉については、目が向かない方が結構多いです。

経営者が真面目であり、慣性的な支払いだからと思います。

 

物件オーナー側から、減額を伝えてくることはあまり考えられません。

 

借主それぞれとの個別対応であることが一般的ですので、あくまでも「一時」として交渉に努めてください。

実際の場面では、そのための事前準備と手順がありますが、一旦この点は割愛させてください。

 

 

最後に

 

現状の先に見える風景が、実際にこの目で徐々に見えてきています。

 

力及ばずの悔しい場面も多いですが、小規模事業者は、力尽きるまで真面目に頑張るのではなく、次の展開のためにいかに余力を残し、何をしないか、何をやめるかを考えてもらいたいと思います。

 

伝えたい注意点はA4の紙で100枚くらいあるのですが、追い付きません……

 

順次、お伝えできればと思いますが、まずは急く内容について書き記しました。

 

ご参考になれば幸いです。

 

参謀 青木 永一

 

この参謀noteの著者:

参謀青木 永一

参謀の特長
ベルロジック株式会社 代表取締役 経営学修士(MBA)メンバーの中でも、異色の経歴を持つ。 前職は、事業者向け専門の「ナニワの金融屋」であり、30代後半までの15年間の経験の中で、約500社を超える倒産と間近に関わってきた。
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