参謀note

気になる記事との つれづれ対話

テナント側は、ビルオーナーの思想と財務状態を理解しよう

本日、少し東側の郊外へ向かう電車の車中より、自宅から切り抜きで持ち出した新聞記事を使って、少しだけアウトプットの時間として活用したいと思います。

稚拙なものであることをご了承下さい。

 

2020/05/28付 11版 15面【企業3】欄、「第一交通の所有ビル、飲食店の家賃半額に」と記載された、とても気になる記事を発見しました。

 

テナントビルオーナーの顧客とのかかわり方

 

拙い所感ですが、飲食店などのテナントにとって、ビルオーナー会社の思想や財務状況が、この度の有事におけるひとつの「差」になることって、まったく予想してなかったことではないでしょうか。

 

当然のことですよね。

 

5月と6月、2ヶ月分の家賃を半額削減と記事には書かれており、テナント側としてはとても救われる救済措置に違いないと思います。

 

また、先月4月分については既に2割の削減が実施されており、さらに来月の7月以降についても状況次第では、再度救済措置を実施する可能性も窺えることから、テナント側も安心材料として捉えられるものと思います。

 

小規模企業の経営、再生事業に携わる者として、朝から非常に嬉しくなる記事の内容でした。

 

たとえ、政府による家賃の補助制度を見据えたうえのことであったとしても、他がこれほどまでの規模で救済措置の実施を行っていない時期に、早々に手を打ったことは、企業イメージとしてのインパクトは大きいと感じています。

 

記事には、11都道府県で37棟所有する700のテナントが対象と書かれているので、仮に1テナントの家賃平均を30万円程度とした場合、

 

4月分

・30万(満額)×700テナント(満室と仮定)=2億1千万

・2億1千万×0.2=4200万

 

5月、6月分

・15万(半額)×700テナント(満室と仮定)=1億500万

・1億500万×2ヶ月(5月、6月)=2億1000万

 

7月分(予想として)

・4月分に準じて、4200万円

 

トータル:2億9千400万

 

となります。

 

以下に記載する売上全体のインパクトからすると僅か0.3%ほどのことですが、対前年比で企業業績が落ち込んでいることに併せて、今年4月以降も決して芳しくない状況にあったことが予想されることを鑑みて、この局面においての今回の意思決定には、私自身が小規模の飲食店との関わりも深いので、嬉しくなりました。

 

実際は、所々が空室になっている状態のビルもあると思われますし、残念ながら撤退するテナントもあるだろうと予想してみると、社内での合意が固まるまでは決して簡単ではなかったのではないかと思われます。

 

ですが、この先のテナント誘致の際のインパクトにもなる可能性を考えると「損をして得を釣る」ではありませんが、結果として良い作用となるのではないでしょうか。

 

記事の終盤に、

なにもしないでテナントの信頼を失うのが怖い

 

と伝えられていた言葉が印象的で、テナントビルオーナーとしての繊細さ、そしてあり方の姿勢を学ばせていただきました。

 

 

以下、EDINETによる、2020年3月期連結決算より抜粋

  • 売上:1050億(前年比-0.5%)
  • 営業利益:53億4千万(同-19.9%)
  • 経常が55億2千万(同-20.4%)
  • 自己資本比率:24%(前年:24.8%)
  • ICR:5.6倍(前年:6.2倍)

他については割愛します。

 

ちなみに、セグメント別では、

  • タクシーとバス事業:57.8%
  • 不動産賃貸:4.5%。
  • 他に不動産分譲と不動産再生、そして金融事業がありました。

 

他社比などの比較を行っていませんので、財務状況の相対的な評価は行えませんが、そのようなことよりも、このように調べればすぐわかることについては、今後はテナント側も知る必要があるかも知れません。

 

 

記事の最後に

新たにビルを取得する際の交渉で有利に働けば良いとの思惑があるとみられる

 

とありますが、不動産収益は比較的安定した収益の見通しが図れるため、今後も機会があれば積極的に購入する意図が窺えます。

 

このような企業の姿勢が、今後のテナントビルの価格にどれほどの影響をもたらすのかについては、不動産業界についても関わりがあることから動向が少し気になるところです。

 

テナントにとっての朗報が嬉しかったことと、堅実な多角化は見習いたいと思った次第です。

 

参謀 青木 永一

この参謀noteの著者:

参謀青木 永一

参謀の特長
ベルロジック株式会社 代表取締役 経営学修士(MBA)メンバーの中でも、異色の経歴を持つ。 前職は、事業者向け専門の「ナニワの金融屋」であり、30代後半までの15年間の経験の中で、約500社を超える倒産と間近に関わってきた。
お問い合わせ
  1. テナント側は、ビルオーナーの思想と財務状態を理解しよう