参謀note

参謀の本棚

価格の心理学

著/リー・コールドウェル(訳/武田玲子) 出版/日本実業出版社

 

■所感

 

章が細かく分解され、各章「小説→解説→実践編→まとめ」と構成されていて、途中からでも読みやすい内容となっています。全体的にも読みやすく、実務にも活用しやすくなっています。本著では、価格は顧客が感じる価値を数値化したものと説いています。そして、そのためにも顧客の深い理解をはじめとして、心理学・行動経済学・自社のコスト構造の理解までもが必要になります。改めて、値決めの奥深さを感じる一冊でした。

 

 

■おとり戦略 – 非対称の優位性

 

①・➁だけでは機能に応じて値段が高くなっているだけなので、比較が難しい。そこに、①に対する対抗馬としてアンバランスな③(おとり)を設定すると、①の値打ち感が増し、選ばれやすくなる。(「おとり」は、市場から見つけるか自社の旧品で賄う。)全てに勝つ必要はなく、この赤枠のマトリックスを相手にイメージさせることが大切。

 

 

■おとり戦略 – ゴルディロックスの効果(の原理)

ヒトは極端な選択を避ける。二つだと選びにくく、三つあると本質的な価値に関係なく、中間の選択肢に惹き付けられる。(下記は価格のバランスの目安)

※他、有効に働きやすい心理的効果
✔代金の支払い  …購入の苦痛を軽減する
✔保有効果    …ヒトは直接触ったものに価値を感じる
✔バンドリング  …セット売りは安いという先入観。
✔損失回避    …既に持っているものを手放す苦痛は、同じものを手に入れる喜びより大きい

 

Marek StudzinskiによるPixabayからの画像

 

価格の心理学

参謀 川勝洋輔