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「超」入門 失敗の本質

著/鈴木 博毅 出版/ダイヤモンド社

有名な「失敗の本質」(以下、本元)。ただ、本元では敷居が高いという人のための入門編。入門とはいえ、劇的な変化に対する対応という意味ではこのコロナ禍にも通じるものがあり、読んで価値ある一冊です。

 

■日本軍も日本企業も、想定外の変化や突然の危機的状況に弱い

失敗例として六つの作戦を挙げ、そこから七つの敗因を考察しています。(このあたりのまとめ方は本元よりわかりやすいです。)これらの敗因を総括して言えるのは、「日本軍も日本企業も、想定外の変化や突然の危機的状況に弱い」ということです。以下では、その敗因の中から私が気になった部分を簡単に抜き取っていきます。

 

 

■七つの敗因

①戦略性  …日本人は大きく考えることが苦手 戦略(大局観)が曖昧で目の前の事象に集中してしまう。

②思考法  …日本人は革新が苦手で錬磨が得意。

✓日本人は型の反復で型を超えるという発想(≒カイゼン)に対し、アメリカはゲームのルール自体を変えてしまう。例えば戦闘機の射撃精度。日本軍はパイロットを鍛え、戦闘機の射撃精度を上げるが、アメリカは誰でも撃てる戦闘機を開発する。カイゼン自体は良いことだが、職人気質のように練習を重ねることで精度を増すという発想も一方では限界がある。

✓日本人は前提条件(ゲームのルール)が崩れると新しい戦略を策定できない。

④型の伝承 …成功体験を、その本質ではなく型と外見だけを伝承してしまう

⑦集団の空気…ある空気にその場の雰囲気が侵されると…

✓「それとこれは話が別」という指摘が通用しなくなり、一つの正論だけで全体を押し切る論調に侵される

✓すでに多くの犠牲があったり、未解決の心理的苦しさから、物事を中断するという判断を避けてしまう(≒コンコルドの誤謬)

 

Defence-ImageryによるPixabayからの画像

 

「超」入門 失敗の本質

参謀 川勝洋輔