参謀note
経営と教養のための名言マラソン
経営と教養のための名言マラソン Vol.463
人間は損得で動いてはならぬ。
正直であること、正義であること、それにもとづいて動くのが人の道だ。
(中江藤樹 陽明学者)
ある侍が主君の使いの帰りに近江に立ち寄ったとき、馬子(馬を引く職人)を雇って旅館まで乗った。旅館に入ったあと馬の鞍にお金を忘れたことを思い出した。そのお金は主君から預かったもので数百両の大金。それを無くしたとあれば、切腹になるのは確実。侍は覚悟を決めて遺書を書いた。
夜が更けて、真夜中近くになって宿の戸をたたく者が。
なんと昼間の馬子がそこに立っていた。
16kmもの道を歩いてお金を届けに来てくれたのだ。
侍が「お前はそんなに正直なのか?」と聞くと、村に中江藤樹という先生がおり、その人の教えだという。
中江藤樹は「近江聖人」と言われ、人々から尊敬され、近江では彼の影響で忘れたものが必ず返ってきたという。
人は心が動くことで体が動く。
動く理由は3つ。
損か得か、快か不快か、そして正義かどうか。
最初の二つも一概に悪いこととは言えない場合もあるだろう。
できるだけ正しく生きていけるように、心に余裕をもって進んでいきたいと思います。
日暮 宏一