参謀note
経営と教養のための名言マラソン
経営と教養のための名言マラソン Vol.587
伸びていった人というのは、自分に与えられた環境、条件をすべて生かしきって成長していくんです。
マイナスの条件もいっぱいあるんです。
そのマイナスの条件もすべて生かしきっていく人が成功するんです。
稲尾さんはまさにそうなんです。
(藤尾秀昭 『小さな経営論』より)
稲尾和久さんは西鉄ライオンズで活躍した投手で、西鉄黄金時代を築いた中心選手。ジャイアンツと対戦した日本シリーズでは、7戦中先発5試合を含む6戦に登板し優勝に貢献し、新聞の1面には「神様、仏様、稲尾様」の文字が踊った。
シーズン20連勝を含む35勝を挙げるなど、プロ野球記録を樹立するほどの選手だったが、実は入団当初は全く期待されていなかった。
高校時代無名の選手だったことから注目を浴びることもなく、高校の先輩の進言があり西鉄に入団することができたので、当初はバッティングピッチャーを務めていた。一人の打者に対して4球の球を投げるよう指示され、3球はストライクを投げ、1球だけボールを投げるルール。「この1球のボール球は俺のものだ。」と決め、高め低め、インコース・アウトコースと投げ分け、制球力を磨いていったという。
やがて中西太や豊田泰光などの中心選手から認められ、彼らが三原監督に稲尾投手を使うように進言し、投手陣の故障が相次ぐという事態もあって、チャンスを得て大投手への道を歩んでいくこととなる。
目の前の環境は誰にでもプラスもマイナスもある。
目の前の環境をどうとらえて、どう生かしていくかは、自分にかかっている。
時間がない、知識がない、スキルがない、ないものに目を向けていても生み出すものは何もない。今の環境をニュートラルに捉えて、自分の努力の結果を信じて、コツコツと進んで行きましょう。
日暮 宏一