参謀note

現場日記

COVID-19の影響による 各地の現状と対策について

様々なメディアでもいろいろと伝えられていますが、現状把握の一環でお役に立てればと思い、お伝えさせていただきます。

 

私が直接連絡した先から聞かせて頂いた内容と、さらに関係先から聞かせて頂いた間接的な内容を含め、奮闘する商工人たちの「生の声」です。

狭い範囲のものですので、頭の片隅に置いてくださればと思います。

 

各地域による状況の違いがあるのか、またはないのかについて、まずは現状を正しく認識するために各所へ連絡しました。

 

私の地元である大阪、さらには東京、福岡、京都、そして北海道の商工人たちの生の声による現状と対策についてお伝えします。

兵庫についてはこれから情報を集めようと思います。

 

各地域別で差がありますが、概ね一地域あたり20-50件ほどの情報数です。

 

 

前提として、多くの方が既に危機関連保証(4号、5号認定)の緊急融資対策の申請を済ませています。しかし、現時点(4月11日)では、融資の実行が5月を跨ぐ可能性が大であると、金融機関の方からお話しを聞いています。

 

以下の情報は、ご自身が立ち回る場所で、今後の予測など何か役立つ情報へと「変換」していただければ幸いです。

 

各地域の現状と対策について

■大阪
製造業

東大阪の製造業は、中国からの物流がストップした関係で製造ラインが止まっているところが多い印象を受けました。
ですので、仕入れも発生しないため、材料メーカーに発注できない状況です。
製造物の応用展開を効かせたいところですが、現状では需要自体が細っているため資金面での対応に手が取られ、アイデアを創造するには時間的に難しい局面です。
とにかく資金的な手当てが急がれる業界でもあるので、仕入先、支払先、家賃、借入への対応を急がないといけない業界です。

 

まだまだ手形が多い業界ですので、対策を急がなければなりません。

 

昨日の投稿、「【緊急】倒産防止のための具体策について)」をご覧いただければ対応策の一部はご理解いただけると思います。

 

飲食業

市内中心部では、小規模店舗にとって恩恵の大きかった団体予約がほぼ全滅状態です。

 

この時期ですから、歓送迎会などで賑わいがあるはずだったのですが、それが現状では一切ありません。

特に、梅田や北新地界隈の繁華街、歓楽街では、この度の厚生労働省や知事が3密を避けることを強く訴求していることから、各業態の飲食店はかなり大きな打撃を受けています。

著名人がお酒の席で感染したニュースなどによる風評被害も大きく、忌み嫌われる様相さえあります。

 

このあたりは人の心理の部分に起因するものと思われますが、もう仕方がありません。

 

余談ですが、実情を知らない外野の方からはよく「そんなのUber Eatsなどを利用したら」や「持ち帰りでやればいいじゃない」の対策を伝えられるのですが、こちらが何も考えていないことを前提にアドバイスをしてくださる言葉に苦笑いするしかありません。

丁寧に「ありがとうございます」と伝えますが、正直なところ、無駄な時間と言葉を聞く度に今は疲れます。

 

展開が急であり、この先の展望が見えにくいことから、緊急融資対策は早々に講じるものの、現状はそこにとどまっています。

 

介護業

全業種にも言えることですが、特に感じたのが子供の休校で休職するスタッフがじわじわと増えているのが介護業界のように思えます。

 

核家族化、シングルの親が多い影響からと思いますが、今後長期化することを想定したスタッフも苦肉の判断だと思います。

 

経営者が今後の継続を不安視する原因の1つに、シングルマザーのスタッフの出社が不安定になることが挙げられています。

 

「子供と一緒に」出社することは、当然に親からすると感染リスクの問題があるので、安易にはできない状況です。

 

融資対策はひとまずの打ち手には違いはないのですが、債務が増えることを許容するには、前提として前向きになれる環境が必要ですし、かなり難しい局面です。

 

行政側も今皆さんが懸命に動かれているので愚痴は言えませんが、この未曽有の出来事に募るのは、やはり不安とそもそも顕在化していたスタッフの人数不足による立ち往生ばかりです。

 

■東京

3月27日(金)がひとつの境目で、それまでは郊外や住宅街の店舗はむしろ繁盛していました。

 

この点は既に私も密に連絡をやり取りしている中で、理解はしていました。

 

在宅勤務が増えることで、家族連れなどで賑わい、前月比2倍以上の売をあげている例は、10店舗で確認が取れていました。

 

駅前のハコが大きな店舗がジワリと明確に下降線をたどっていたところ、週末の雪と外出自粛要請で一気に状況が悪化したとのことです。

 

渋谷などは顕著です。

もちろんそれ以外の地域もですが。

 

飲食以外では、荒川区などのかばん裁断業は中国からの輸入材料が止まり、一切の注文が入っていません。

 

資金繰り対策のため借入れを行っても返済ができるかという不安が募りながらも、従業員への給与を止めるわけにはいかないので、やはり借入れはしないといけない……このジレンマです。

 

この点から、喫緊の課題として昨日お伝えした支払いの対策(手形)と家賃交渉が一番即効性のあるものと判断してお伝えさせていただきました。

 

 

■福岡

アジアの玄関口でもあるので、これまで韓国や中国からの観光客で非常に活況であった裏返しの状態です。

 

特に民泊業では、3月の売上がほとんど「0」の状態です。

そこに至る流れが急速だったため、現状は対策にあぐねる状況ですが、損失確定で撤退か、各種方面への交渉で一旦据え置きにし、緊急事態宣言が延長となるかどうかが見極めと考えています。

 

ビジネスはやはり「人」が主体だと、私の狭い世界観では強く考えさせられる場面であり、そこが停滞することの恐ろしさを「0」の数字から強く感じさせられました。

 

「0」と表記するのはあまりにも簡単ですが、とてつもなく深い闇です。

 

不動産業

大阪でもそうなのですが、不動産業は基本的には安定している印象を受けています。

ただ、収益ビルの場合は、テナントが家賃を払えない状況に陥ることによる二次被害の影響はありますし、今後も増えそうです。
この点は、両方の立場を知るので良いのか悪いのか……

 

この先のリスクの洗い出しと数値化に動いていますが「やったらんかい」精神の経営者が多く、また潔さも強いことが対策を後手に回している感じを強く受けています。

口は立つ、腕っぷしもある経営者が多い業界なため、厄介さを感じることも多いです。

 

 

■京都

 

清掃業

伏見地域ではホテルの清掃業の売上が3-5割減となり、今後さらに低下することが容易に想像できる状況です。

ホテルの稼働率が、現状20%前後の現状を鑑みれば、当然ではありますが。

 

東日本大震災のときで、確か稼働率が60%前後だったと思いますので、それと比較して今回の件はこれまでと大きく様相が異なることを理解するのにわかりやすい数字です。

 

事業者向け清掃に業態を転用する検討を行うも、即効性から考えると現実味が薄く、対策に追われているのが現状です。

 

ひとまずは、止血のために従業員の解雇と設備の順次売却で難を免れていますが、次の展開の足かせにならないようにしっかりと見極めが必要な場面です。

 

 

飲食、旅館

緊急融資への反応がすごく早い印象を受けました。

 

旅館については、近隣の同業者と協議を行い、7月まで閉館するところも多くあります。

雇用調整助成金を使い、従業員を休ませて電話対応のためだけに経営者が館内にとどまっています。

 

「今の方が楽かも知らんな」と笑いながら話されている、ある経営者の声が印象的でした。

 

既存の借り入れの返済については、これから銀行側の担当者と協議を行う予定になっているところが多く、伝統的な業種でもあるからか、銀行側との協議に不安視している様子はあまりうかがえませんでした。

 

また、先斗町界隈の飲食、ゲストハウスなどの打撃は特に大きいです。

 

ただ、住宅街にある地元客を対象にした飲食店の影響は、小さいようにも思えました。

 

緊急事態宣言の発令がないことを祈りたいとの声は、店舗経営者の皆さんが等しく伝えてくれていました。

 

東京と大阪、福岡の例からすぐに察しがつくからと思いますが、事前対策を講じるため、焦りを感じながら営業を続けています。

 

 

産廃業

中心部のゴミは顕著に減っているため回収量は少ないですが、宅配や外食の影響で家庭ごみが増えていることから、事業への影響は少ない様子です。

ここは、あくまでも現段階においてですが、経営の困難は無縁のようにも感じました。

 

 

イベント企画

例外なく、どの企業も経営困難な状態です。

 

ブランドの和紙を使った製品の企画、製造、卸をしている事業者は注文のキャンセルが相次ぎ、その他、子供向けショーを中心に展開させていた事業者では、別事業の軒先を借りて、この難が過ぎ去るまでの対策をいち早く打ったため、大きな難を免れていました。

 

エンタメ業界は、環境の安定が最重要であることから、かえって切り替えが早かったようにも思います。

個人の特徴によるものかもしれません。

 

資金的な対策は講じながら、とにかく「もがかない」ことが現状では一番賢明な判断のようにも思えます。

ただ、企画会社であることから、次の展開のための企画の手は休めず、頭の中で構想を練り続けて虎視眈々と機会を狙っていることも事実としてお伝えしておきます。

 

■北海道

すすきのにある飲食店は、緊急事態宣言から1週間で9割の売上減、比較的まだマシな方だという店舗でも5割減の現状です。

すすきので複数店舗を経営するところも、縮小させる方向ですでに具体的な検討に入っています。

 

ある有名なお店とは間接的に繋がっているのですが、一気に縮小する可能性が大となっています。ただ、これまでの発展を海千山千で築いてきた方なので、商売人魂も非常に強く感じられ、こちらが勇気を頂きました。

 

 

最後に

 

ほんの一部にしか過ぎませんが、現在の各地域の商工人たちの様子です。

全てにおいて、大変な状況の中でも皆さん一様に元気だけはある印象を強く受けています。

 

根性だけではどうにもならないけれども、そこだけは自分のコントロールで失うことはないように気を付けている

 

と、話された言葉の力強さが印象的でした。

 

私どもも、各方面と協力しながら、前向きな撤退まで含めた取り組みを考えたいと思います。

 

中小企業が国内全体の97%とも,99%とも言われていることから、ここが枯渇したら世の中終わりです。

 

資金の対策だけは講じて、気力だけは失わず頑張りましょう!

 

再度、ご自身が立ち回る場所で、今後の予測などで何か役立つ情報へと「変換」していただければ幸いです。

 

参謀 青木 永一

この参謀noteの著者:

参謀青木 永一

参謀の特長
ベルロジック株式会社 代表取締役 経営学修士(MBA)メンバーの中でも、異色の経歴を持つ。 前職は、事業者向け専門の「ナニワの金融屋」であり、30代後半までの15年間の経験の中で、約500社を超える倒産と間近に関わってきた。
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