参謀note
気になる記事との つれづれ対話
事実は、解釈を加えて機会として捉えよう!
2020/6/2付 日経新聞 25面【関西経済】欄、帝国データバンク大阪支社が、今月1日に関西地域の企業に対して人手不足に関する意識調査を行った結果の記事です。
「正社員が不足している」と回答した企業の割合が27%と、前年同月比 21.4ポイント減少となった模様です。
詳しい内容については、新聞の記事をご覧になって下さい。
(※日経新聞電子版の記事はこちらからご覧になれます)
はじめに
新型コロナウイルスの影響によって、多くの小規模企業の業務量が激減したことは周知の事実です。
業務量の減少はそのまま売り上げの減少となりますし、これまで「量」の対応を粛々と行っていた従業員も当然に手持ち無沙汰の状態になります。
今後、回復までにどれほどの時間が必要なのかについては、勝手な予想は出来たとしても、実際のところは誰にもわかりません。
消費者の消費行動などが当時の状態に「戻る」ことを前提としなければ、同じ業務量が戻ることはあり得ないですし、そもそも「戻らない」と話している評論家も非常に多いです。
量から質への転換期と、一言では片づけられないものですが、困った時の神頼みではなく、変化に対応した具体的な行動を変えるためには、何を考えればいいのかについて、一人で勝手に対話をしてみました。
「量」が戻ることは神頼みの願い、「質」を高めることは自力頼みの行為
「正社員が不足している」と答えた回答結果の数字が、27%と割合で示されているので実数としての規模感がわかりませんが、帝国データバンクの調査ですから相当数であることは間違いないでしょう。
調査結果における「不足している」ポイント数の減少は、意地悪なものの見方をすると「過剰気味だ」と感じていることが裏側にあるかも知れません。
あくまでも、私の勝手な憶測です。
記事の最後には「今後経済が回復すれば、業務量が増加するため人手不足の割合は低くなることでしょう」とありますが、所感でも触れましたが、量が戻るかどうかは懐疑的にならざるを得ません。
仮に戻るとしても緩やかな回復が自然であり、企業側の都合だけで一気呵成的に戻ることは考えにくいです。
いずれにしても、事実をどのように捉え、そして具体的に行動をどのように変えるのかが大事なことです。
従業員の立場でこの記事と対話してみます。
勤続年数の「量」に比例して業務「量」をこなし、自らの立場を築いてきたならば、経験量の中身について振り返ってみることが「質」への転換の機会になるためのきっかけにはなるでしょう。
顕在的に求められている業務の質、これまで見えてなかった潜在的に求められている質が何かを考え、会社に対して実現可能な提案が行えるようにしたいところです。
その際には、売上が上がるのか、費用が下がるのか、どちらに効く作用なのかを考えて明確にすることが必要になります。
思いつき程度の例として、売上を上げるための提案について考えてみます。
例えば、
人前で話すことが得意かつ上手な方な場合には、その才能を社内や取引先に対するものだけに限定せず、例えば英訳付きの動画配信によってデジタルの世界で広く新規開拓を行うことも、選択肢としては考えられることでしょう。
また、取引先のプレゼンを代役することも、一つの手かも知れません。
取引先の売上が上がれば、自社の売上にも繋がるはずです。
他には、
製造業ならば自社の持つ技術の本質を理解し、別の分野へと応用展開させることは、取引先の分散だけではなく、業界まで含めたリスク分散を可能とすることから、検討すべき課題としての価値はあるでしょう。(日経 つれづれ対話 「本質を見極める思考力こそが、活路をつくる!」参照)
拙い例えですが、考えないことには可能性は拡がりません。
企業側としては、このような従業員の能力を掘り出すことに対して、常に積極的にありたいものです。
そのためには、常日頃から人材の能力が高められる仕組みとして、思考力を鍛えることなどの教育体制を整えておきたいところです。
論理的思考力が優れている
アイデアの着眼点が面白い
行動力が抜群に優れている
このような人材を、企業側が人手を「過剰気味だ」と感じた際に、選別の対象にはしにくいのではないでしょうか。
顕在的、潜在的両面において求められているものが何かを考え、狙いを定めたスキルを備えることが必要な時ではないかと考えさせられる記事でした。
参謀 青木 永一