コラム

参謀 横山 研太郎

コンサルタントは専門家をシェアしているようなもの

 

 

世の中にはとても多くの仕事があります。誰もがうらやむ仕事もたくさんありますが、コンサルタントは「怪しい」「信用できない」といったイメージを持たれることも多い職業です。

今回は、コンサルタントは、中小企業でも気軽に活用することができる身近な存在であることを知ってもらいたいと思います。

 

 

コンサルティングとアウトソーシングの違い

 

仕事を進めるうえで、外部のリソースを活用する方法には、コンサルティングとアウトソーシングがあります。

コンサルティングは主に、経営者の頭脳や片腕となって、経営上の問題解決をサポートします。場合によっては、解決策の実行支援を行うこともあります。一方、アウトソーシングは、外部の会社に委託したり、労働者を派遣してもらったりして、本来は社内リソースで行うべき業務を処理する労働力を購入するものと言えます。

 

コンサルティングは結果が目に見えないため、なんとなく「怪しい」「信用できない」と見られがちですが、そう感じるのはアウトソーシングと同列で考えてしまっていることが原因です。

 

 

社内の限られたリソースを補うのがコンサルタント

 

会社の経営に必要な資源と言えば、「ヒト・モノ・カネ」です。

この3つだけと言ってしまえばそれまでですが、その資源を有効に活用するためには広範囲にわたる能力が必要です。

 

ヒト:採用活動、人事評価制度・査定、職場環境の改善など

モノ:企画・開発、マーケティング、仕入、製造、販売など

カネ:経理作業、資金繰り、資金調達、税務など

 

こういった業務は一例にすぎず、もっとたくさんのことを日々行っているはずです。しかし、すべての作業を1人ですることはできないため、従業員に働いてもらっています。

従業員が業務を進めるための方向性を示すために、社長が経営理念や経営戦略を打ち出します。そして、会社組織がある程度の規模になってくると、役員や管理職が具体的な方針に変えていきます。

 

ただ、特に中小企業では、各業務に精通した役員や管理職が充分にいるわけではありません。それを補うことができるのが外部のコンサルタントです。

 

 

社長は会社のプロデューサー

 

社長にしかできないことが、会社全体の方向性を決めることです。つまり、社長は会社のプロデューサーなのです。

 

プロデューサーはなんでも自分でできるわけではありません。

おニャン子クラブからAKB48までアイドルグループ等のプロデュースで有名な秋元康氏も、自身に圧倒的な能力がある作詞は手がけますが、楽曲の演奏やメンバーの衣装やメイクなど多くの仕事は、外部人材である「各業界のプロフェッショナル」に任せています。

もちろん、全体の方向性に関わる部分には口を出すでしょうが、プロフェッショナルの意見も聞きながら、よりよい作品を生み出せるようにしているのではないでしょうか。

 

 

コンサルタントは専門家を多数の会社でシェアしているようなもの

 

もし、会社内で業務ごとのプロフェッショナルを雇用しようとするとどうなるでしょうか。マーケティングや資金調達といったことだけを年中してもらうほどの仕事はありません。かといって、そういった業務の専門家を高い報酬で雇用し、営業や経理作業をしてもらうのはもったいないでしょう。

 

1か月、1プロジェクトといった単位でコンサルタントを活用すれば、1人雇用するよりもずっと安いコストでよりハイレベルな業務ができる人材を外部から調達することができるのです。

一言で表現するならば、コンサルタントは「専門家のシェアリングサービス」と言えるでしょう。

 

 

外部の専門家だからこそできることもある

 

 

コンサルタントは外部の人間であるため、「うちの会社のことをよくわかっていない人間になにがわかるんだ?」と思われることもあります。

しかし一方で、外部の専門家だからこそ、他業種での取り組みを上手にカスタマイズした方法を提案してくれる可能性もあります。

 

バーテンダーがお客様の好みや気分を聞いて、それにぴったりのカクテルを作ってくれるのと同じです(※)。お客様が知らないお酒でも、その特徴を知り尽くしているからこそ、その人に合うものを提供することができます。

 

コンサルタントの中にはこういったことができない人も多くいるためなのか、信用できないと感じられることも多々あります。

まずは、そのコンサルタントが自社にプラスになりそうな人材なのかどうかを判断するために、いろいろ話をしてみるところから始めるのも良いと思います。その上で、信用できそうであれば契約し、実際に試してみて相性が良くないと思えば契約を見直せば良いのです。

 

一見すると、時間当たりのコストでは高額に見えるコンサルタントでも、相性が良く優れたコンサルタントと出会うことができれば、みんなでお金を出しあって手に入れた安い買い物になるはずです。

 

 

※私はお酒が飲めないのですが、バーテンダーさんがノンアルコールでカクテルを作ってくれたときの体験談です。

このコラムの著者:

参謀横山 研太郎

参謀の特長
ねこのて合同会社 代表 資産運用のアドバイスを柱とするファイナンシャルプランナー、保険代理店、金融商品仲介業