- 参謀の特長
- 人材サービスのベンチャー企業において、企業法務を中心に経営管理業務を行う。企業法務だけにとどまらず、社内の管理体制の構築に従事。
コラム
参謀 岡田 将士
法的トラブル回避の基礎 使う言葉に気をつけることの大切さ
「黒い髪の美しい少女」と聞いて、何を思い浮かべたでしょうか。
「黒い髪の毛で、整った顔の女の子、という意味だろう」と思われたでしょうか?
一方で、「「黒々とした美しい髪の毛」を持つ女の子、という意味ではないか」と思われた方もいらっしゃるかも知れません。
このように、同じ文章でも、捉え方が違えば大きく意味が変わるのです。
「他の意味にとられないか」、「一義的であるか」多くの企業法務担当者は文章を作る際、これらの点に気を配って文章を作成します。
目次
多くの法的トラブルの原因
多くの法的トラブルは「認識の相違」により起こります。
「そういう意味だったんですか?」、「いや、そんな話じゃなかったでしょ!」や、「こう言ってましたよね!?」「いや言ってないですよ!!」のような言った言わない水掛け論が、イメージしやすいかと思います。
このようなトラブルを防ぐには、文章の意味が一種類であること、つまり一義的な文章が書けているかが大切なポイントです。
注意すべき文章
もう一つ例を見てみましょう。
「2と8の3倍はいくつでしょうか?」
2と8を足して、3をかけて「30」でしょうか。それとも、2と8それぞれに3をかけて「6と24」としたでしょうか。または、8×3に2を足して「26」ですか。
こちらも、複数の解釈ができる、一義的ではない文章でした。ビジネスにおいては、こうした文章は要注意です。
「認識の相違」が起きない文章を書くには
それでは、一義的な文章を書くには、どうすればよいのでしょうか。
これからお伝えするたった3つのコトに気をつければ、格段に文章トラブルを防ぐことができます。
①だれかに文章を見てもらう
これが一番手っ取り早い方法です。
自分が書いた文章を、誰かに読んでもらい、その内容を説明してもらいます。
その際に、自分が意図している内容と違いが生じていれば、「一義的ではない可能性が高い」と判断できます。
ただし、人は興味がない文章は適当に読むことが多いので、自分でも入念に読み返しましょう。
②文章を印刷して読む
PCなどの電子デバイス上で文章を書いている場合、印刷して読むことをお勧めします。
今の時代に何を言うんだ、と思われるかもしれませんが、電子デバイス上では誤字脱字をはじめ、不備を見落としやすくなります。
印刷して読むと、自分の視点や意識が変わり、不備を見つけられるようになります。
③一定期間文章を寝かせる
文章を書いた直後は、その文章に対する思い入れがあったり、「思った通りにかけている」というバイアスがかかっていたりします。
翌日、3日後、1週間後と、書いた文章を寝かせた後に読み返すと、視点新たに確認することができ、文章の不備が見つけられやすくなります。
以上3点で、ビジネスにおけるトラブルの件数が、段違いに減ります。
是非参考にしていただき、法的トラブルを回避に結び付けてください。