コラム

参謀 横山 研太郎

業績向上につながる従業員満足度を上げるためのアンケートとヒアリング

会社での働く環境は、従業員の成果にも影響があります。さまざまな研究で、従業員の会社に対する満足度と企業業績には関係があることが示されています。

従業員の満足度を高めるためには、彼らの声に耳を傾けることが大切ですが、本音を聞き出すことは簡単ではありません。そのきっかけとなる方法をご紹介します。

 

職場に対する満足度は業績に結び付く

 

近年、従業員満足度が注目されています。

そのきっかけとなったのが、2017年にアメリカのギャラップ社が発表した「The Relationship Between Engagement at Work and Organizational Outcomes」という調査結果です。

 

これによれば、エンゲージメントスコア(従業員満足度)の高い企業は、低い企業と比べて、生産性や利益率が高く、離職率や品質上の欠陥が少ないという結果になっています。

 

利益だけでなく品質などにも影響があるため、従業員満足度の向上が、ひいては、顧客満足度にもつながっていくと考えることができます。

 

 

従業員の満足度が高い会社とは?

 

では、従業員満足度が高いとは、どういう状態なのでしょうか。

「会社に対して、どれだけ従業員が満足しているのか」という意味ですが、「待遇に満足している」の一言では表現しきれず、いろいろな要素があります。

 

・経営理念に共感しているか

 ・職場での人間関係がよいか

 ・給与、労働時間、福利厚生制度に満足しているか

 ・仕事にやりがいを感じているか

 ・自身が成長していける環境か

 

あくまで一部ですが、こういったことを総合的に見て満足度が決まります。

 

 

従業員満足度を知るにはどうすればいい?

 

従業員満足度を高めるためには現状を知る必要がありますが、それを知るのは簡単ではありません。一番、リアルな情報を集めるには、従業員本人に聞く必要があります。

その方法として、1対1の面談とアンケートが考えられます。

 

 

①1対1の面談で話を聞く

彼らの声に耳を傾ける方法として、従業員との対話がよく行われています。1対1で話を聞く方法です。

 

直接、従業員から話を聞くことができるので、誰でもいつでも簡単にできるの方法です。目の前で話をしているので、その場でより詳しい話を聞くことができ、ひとりひとりの表情からも多くの情報を得ることができます。

 

しかし、これらのメリットが、従業員にとってはそのままデメリットになってしまう可能性があります。

目の前にいる上司にいろいろ聞かれると、問い詰められている気持ちになってしまったり、評価につながるのではないかと心配してしまったりするかもしれないためです。

すると、どうしても、上司の顔色をうかがいながら、「上司が欲しがっている答え」に近づけて話をする人が出てきてしまいます。これでは従業員の抱えている悩みや問題点を正確に聞き出すことは難しいでしょう。

そうなってしまわないよう、評価や非難をするための場ではない「心理的安全性」を確保している場だということを明確に示す必要があります

 

 

②アンケートを通じて、本音を聞く

もう一つの方法が、職場でアンケートを取って、従業員の本音を聞こうとすることです。

目の前で話を聞くことができないので、その場で掘り下げたりするのには限界がありますが、上司の圧力を感じさせないで済む方法です。

 

ただ、アンケートで従業員の気持ちを聞くときに注意しなければならないことがあります。

それは、「本音を出せるアンケートにする」ことです。

 

よくある、間違ったアンケート方法として、次のようなものがあります。

 

・あとで詳しく聞けるように、記名式にした

→問題点を指摘したのが自分だとわかるので、報復を恐れて本音を書けない

・しっかりと問題点を把握したいので、詳しく記述してもらう形式にした

→アンケートに答えるのが大変なので、答えるのが面倒

また、詳しく書けば書くほど、書いた本人が特定されそうなので書けない

・答えやすいように、「〇〇の業務に不満がありますか?」と限定的な質問にした

→上司が把握していない「見えない問題点」を発見することができない

 

せっかくのアンケート方式なのに、心理的安全性が確保しきれておらず、答える側の負担が大きい割に根本的な問題解決につながらなくなるという問題があります。

 

実際に従業員の本当の気持ちを知るためには、①と②を上手にミックスするのが最適です。

次に、その際のアンケート方法をお伝えしましょう。

 

 

アンケートは無記名で答えやすくし、その内容をもとに面談する

 

従業員の本音に迫るためには、無記名のアンケートを使って社内の課題を推測し、それを面談で確かめていく方法が望ましいでしょう。

 

弊社(ねこのて合同会社)では、従業員満足度調査の支援をしているのですが、そこで使っているアンケート項目は非常にシンプルなものばかりです。

 

「経営理念に共感していますか?」「自由に意見が言える環境ですか?」など、Yes・Noで答えられるレベルの質問にしています。

無記名で詳細を書かなくてよくして、普通なら言えないことでも言いやすい環境を作るためです。

 

集まったデータをもとに、従業員が考えていると思われる課題を推測するために分析します。この分析が大切で、ある程度のスキルが求められます。上司にとって都合のよい解釈をしてしまうと逆効果になりかねません。理想は外部の業者に依頼するのが望ましいでしょう。

弊社を含め、アンケートの実施・分析サービスを提供している会社はたくさんありますが、データ分析を第三者の目で冷静に切り込むことによって、社内の課題特定に役立てることもできます。

 

データ分析が完了すると、より多くの従業員が問題と考えているであろうことを、1対1の面談などで確認していきます。

このとき、すでに職場の満足度についての無記名アンケートを行っているため、従業員には「会社が改善しようとしている」という姿勢を見せることができています。あとは、面談が評価に使われるものではないことを明確にしておけば、かなり心理的安全性が確保された状態で話を聞くことができるでしょう。

 

そして、実際に抱えている問題を特定できれば、従業員が不満に感じていることにピンポイントでメスを入れられるようになるでしょう。

定期的にアンケートとヒアリングを繰り返して、従業員満足度の高い職場を作ることができれば、業績にも良い影響が出てくることでしょう。

このコラムの著者:

参謀横山 研太郎

参謀の特長
ねこのて合同会社 代表 資産運用のアドバイスを柱とするファイナンシャルプランナー、保険代理店、金融商品仲介業
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