コラム

参謀 赤尾 真史

モチベーション高く仕事をするためには

10年前に勤務していた会社では、社員研修や朝礼、全社会議の場などにおいて、企業理念や社是を唱和することがありました。
会社としては「自社の理念や考え方などを浸透させること」「愛社精神を養うこと」といった目的があったのだと思います。

 

こうした理念(会社の考え方や目指す方向性を含む)だけではなく、部の役割等もしっかり社員に理解・浸透させることは、適切に社員やメンバーに動いてもらうためには非常に有益です。
しかし、その方法が「何度も唱和させる」や「繰り返し伝える」というもので良いのでしょうか?今回は、他の有効な方法について考えたいと思います。

 

理念・ミッションの浸透はなぜ重要か

 

前述の会社では、唱和の習慣により、ほぼすべての社員が理念を言えました。ところが、 「理念は何か」と聞かれれば即答できるのですが、日々の業務の中で、その理念を意識することはありませんでした。

 

つまり、理念を一言一句間違えずに言えるだけであり、それが自身の業務とどうつながって いるかを考えることはなかったのです。

 

一般的に、理念やミッションの浸透のためには、前述のような定期的な唱和や、理念・ミッションなどが書かれたカードが配布されることが多いです。

 

しかし、これらだけでは 「言葉は知っている」レベルでしかない可能性が高い 、と考えられます。単に「言葉を知っている」だけではなく、会社・所属部門のミッションと業務と のつながりがわかれば、自分たちが何のために仕事をしているのか、それをきちんと理解することができます。その結果、仕事への動機づけになったり、マネージャーの立場からはメンバーを評価する際の 判断軸にできたりします。

 

したがって 、従業員や部員が単に理念・ミッションをそらで言えることが大事なのではなく、それらと自身の業務とのつながりを理解してもらうことが重要になります。

 

では、そのためにはどうすれば良いのでしょうか。

 

 

つながりを理解させるためには

 

理念やミッションを自分の業務とつなげて見ることができないのは 、理念やミッションが「抽象的だから」というのが大きな理由ではないでしょうか。

 

例えば、上述の会社の理念は「広く求められる者は繁栄する」というものでした。

 

言わんとしていることはわかりますが、メッセージの抽象度が高く、自分の仕事とどう結びつくのかが漠然としてしまいます。(基本的に理念は抽象度が高いものではありますが)

 

つまり、抽象度の高いものを具体化していき、会社→部→課→チーム→個人のミッションに細分化して落とし込むことで、会社全体と自身とのつながりを理解することができるようになります。

 

具体的な例

 

一度具体的に見て見ましょう。

 

例えば、「優れた製品で社会を豊かにする」という理念があったとしましょう。これだけでは非常に抽象度が高いので、この会社がもつ部門別の観点で分解してみましょう。

 

 

上記は、理念を①製造・開発、②販売、③管理という大きな区分に分け、さらにそれらを部門ごとに詳細に分解しています。これらをさらに課やチームごとに分解していくこともできるでしょう。

 

また、マネージャーはこれらをメンバーの個人目標にまで落とし込み、目標設定や評価を行うことができます。こうして具体化して全体構造を見せることにより、自分の立ち位置や個人としてやるべきこと、それと会社のミッションとのつながりを理解させることができます。

 

 

さいごに

 

従業員に会社の考え方や部の方針に共感してもらうことは重要です。また、本人が自身の業務とその方針とのつながりを理解し、高いモチベーションで業務を遂行してもらうことも 重要です。

 

会社や部の方針の全体像を見せ、その中で従業員や部員の役割を明確にするために、上記の方法は非常に有益です。

 

抽象的なものを分解して具体化することで、 あるべき姿に少しでも近づくことができるのです。

 

参謀 赤尾 真史

 

 

 

このコラムの著者:

参謀赤尾 真史

参謀の特長
人材サービスのベンチャー企業において、企業法務を中心に経営管理業務を行う。企業法務だけにとどまらず、社内の管理体制の構築に従事。
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