コラム

参謀 横山 研太郎

アフターコロナ・Withコロナで問われる、余剰資産の活用

経営者のみなさんは、コロナ禍で大変な困難に直面されていることと思います。その中でどう生き残っていくかは、いろいろな場所で情報が飛び交っています。

今回、そんな情報とは違う視点で、「資産運用のプロ」として、コロナウイルスによって大きく変化した金融の世界と、それにともなう「余剰資産の活用方法の変化」についてお話します。

 

一般的な余剰資産の運用方法とは

 

安定した業績をあげ続けていた中小企業経営者には、余剰資産を現預金で持たずに運用している方も多いでしょう。特に新規事業などで多額の投資をするようなことがないのであれば、5年10年単位で長期の運用をすることも可能です。

 

運用方法には、下記のようなものがあります。

・定期預金

・保険

・不動産投資

・債券・株式等

 

しかし、コロナウイルス問題によって、運用の世界が大きく変わりつつあります。

 

 

コロナで変わる資産運用環境

 

コロナウイルス問題は、企業の運営だけでなく資産運用での投資環境にも大きな影響を与えました。

 

世界的に超低金利になり、運用利回りも低下していくことが予測されるので、運用のメリットが小さくなってしまいました。

また、突然、世界規模で経済停滞するリスクがあることもわかったため、いざというときに換金しやすい金融商品かどうかも考慮すべきだと言えるでしょう。

 

 

運用方法ごとのメリット・デメリット

 

先に挙げた4つの運用方法について、アフターコロナ・Withコロナでのメリット・デメリットを簡単にまとめました。

 

 

①定期預金

途中解約すればいつでも換金できることがメリット。

しかし、日本円では非常に金利が低く運用効果はほとんどありません。外貨建てであれば高かった金利もこれから下がっていく一方で、為替リスクだけは残ってしまいます。

 

②保険

長期間寝かせているだけの資金なら、一時払終身保険を活用することで、万が一に備えながら運用することができます。

しかし、外貨建終身保険も超低金利の影響を受け、運用効果が小さくなってきます。

 

③不動産投資

満室であれば、ある程度の利回りで運用することができます。

しかし、テレワーク・リモートワークの広がりによっては、運用環境が大きく変わってしまいます。オフィスの場合は、需要が減って賃料が上がらない、空室になるなどのリスクが高くなるかもしれません。居住用の場合は、今人気が集中しているエリアでも状況が変わるかもしれません。

換金しにくい資産であることは以前から変わりませんが、コロナのような世界が急変する場合を考えると、余剰資産の多くを不動産にまとめて投資するのはリスクが高いとも考えられます。

 

④債券・株式等

債券も株式も、特殊な銘柄を選んでいなければ、換金はしやすいといえます。

しかし、株式の価格変動リスクは、これらの中で最も高いです。外国債券は、外貨預金と同様に、日本よりも高い金利で運用することができるメリットがありましたが、金利は下がって為替リスクだけが残ってしまいます。

 

 

アフターコロナ・Withコロナで、簡単で堅実な運用は減る

 

資産運用の環境にこういった変化があることを考えると、簡単で堅実な運用は減っていくと考えられます。

各国とも、コロナにともなう財政政策・金融政策をとてつもない規模で実施しています。しかし、超低金利になったのが、数年で元の水準に戻るとは考えられません。

 

「外貨建てで預金したり債券や保険で運用したりすれば、そこそこの利回りで利子がつく」、「ある程度いい物件が見つかれば、長期的に運用益が手に入る」といったシナリオが崩れてきたと言ってもいいでしょう。

 

さまざまなリスクに備え、余剰資産の運用でも、「どんな金融資産にどれくらい投資するのか」を「金融と経営の両面」から考えられる力が必要です。

余剰資産の活用方法についてアドバイスをしてくれる人はたくさんいますが、「経営上のリスク」まで考えられる人でないと、緊急事態が発生したときに対処が難しい可能性もあります。

 

 

まとめ

 

コロナウイルスが経済に与えた影響は、余剰資産の運用にも大きな影響を与えています。アフターコロナ・Withコロナの世界では、「運用すれば増やせる」ではなく、「余剰資産の運用も業務のうち」というレベル感でいることが重要です。

自身が金融に関する高い知識を得るか、本当に信用できるプロフェッショナルを見つけ出すかして、企業経営に余計なダメージを与えることがない資産管理が必要になったといえるでしょう。

このコラムの著者:

参謀横山 研太郎

参謀の特長
ねこのて合同会社 代表 資産運用のアドバイスを柱とするファイナンシャルプランナー、保険代理店、金融商品仲介業
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