コラム

参謀 川勝 洋輔(ビジネスネーム)

話をわかってもらわないと動いてもらえない

こんな言葉をご存知でしょうか?

said ≠ heard
言ったからといって、聞いたわけではない
heard ≠listened
聞いたからといって、聴いたわけではない
listened ≠ understood
聴いたからといって、理解したわけではない
understood ≠ agreed
理解したからといって、賛成したわけではない
agreed ≠ convinced
賛成したからといって、腑に落ちて納得して行動しようと思ったわけではない
convinced ≠ action taken
腑に落ちて納得して行動しようと思ったとしても、実際に行動したわけではない
action taken ≠ achieved
実際に行動を起こしたとしても、結果が出たわけではない

 

実際、指示から結果までの過程がここまで多いかは疑問ですが、人への指示が結果を結ぶまでは相当難しいということは分かると思います。私自身、全ての過程の対応策は持てていませんが、子育てと仕事に共通することがあるので、今回はそれを紹介したいと思います。

 

marcisimによるPixabayからの画像

■パパはなんで怒っているか?

私には二人の子供がいます。小学一年の長男と、幼稚園年少の長女。二人ともやんちゃな盛りで、叱られない日はありません。まぁ、日々叱られているので、上記の流れを体現出来ているというわけでもないのですが、ひとまず話を続けます。

私も妻も、叱るときに気を付けていることがあります。それは、なぜ叱られているかを自分で言わせるということです。「パパはなんで怒っていると思う?」と尋ねるようにしています。これを始めたきっかけが冒頭の言葉ではなかったのですが、まさに、

said ≠ heard 言ったからといって、聞いたわけではない

の確認作業でした。

親も子も人間です。理路整然と叱れない時もありますし、聞く側も聞き漏らしたり、そもそも子供なのできちんと聞けているかも、怪しいものがあります。そのため、叱られている理由を自分の口で言わせるようにしていました。長男は六歳なので、ある程度叱られる理由は分かっていますが、三歳の長女はまだ曖昧です。「ごめんなさい」と言いながら、なんで叱られるかを尋ねると、全く違う答えが返ってくる時もあり、理解出来ていなかったんだな、と気付かされます。「言ったからといって、聞いたわけではない」ですし、たとえ「聴いた」としても「理解したわけではない」のです。もちろん、実際に行動に起こすためにはその後のステップが多々ありますが、言われたことを理解出来ているかという一番最初のステップは、これで確認出来ます。

 

■説明後の沈黙

これと同じことを仕事でもしています。ただ子供とは違い、大人はプライドがあるので、「私が言ったことを理解出来ているか確認するため、自分の口で説明してみてください。」とは聞けません。私の場合、「説明が分かりにくかったと思いますが、分かりました?」と聞いています。ここで、大抵の場合は「はい」と返ってきます。(理解してもいなくても。)ただ、本当は理解をしていないかもしれないし、勘違いをしているかもしれません。相手の口から説明をしてもらうことが重要なのですが、そこからどうするか…。私は相手が「はい」と答えたあと、しばらく黙るようにしています。すると、理解している人の大半は「あ、それって〇〇ということですよね?」と自分から説明をしてくれます。あとは、それが合っているかを確認するだけです。問題は、向こうも黙ってしまう場合です。黙っている場合、「はい、と言ったが本当は分かっていない」か、「この間がなにか求めている間か分かっていない」の二つがあります。後者は非常に稀ですし、相手の顔を見ればどちらかは分かります。(分かっていない場合、目を合わしてくれません。)

 

■まとめ

話したことが聞き手に理解してもらえない理由はいくつでもあります。話し手と聞き手で情報量や前提に違いがある場合もあります。その差をしっかり埋める作業が大切であり、それが今回紹介した聞き手の理解の確認です。端的に言うと、コミュニケーションが大事という話なのですが、それも自分自身が相手に分かりやすい話をすることが大前提なわけですから、やはり相手が分かってくれているか確認することは必須ということです。

このコラムの著者:

参謀川勝 洋輔(ビジネスネーム)

参謀の特長
マーケティング・企画を担当。スポーツアパレルの分野にて、マーケティング・企画畑を中心に、開発や品質管理など、アパレルのモノづくり全般に携わる。また、理論だけでなく、人を巻き込むコミュニケーション力で、実践的な業務を展開。
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