コラム

参謀 青木 永一

アイデアは精神と身体が前向きになる場所と「ながら」がコツ

スポーツジム

 

不思議と、スポーツジムで体を動かしながら仕事のことを考えると、前向きなアイデアが湧くことが多く、時には興奮さえも覚えます。その感覚に味を占め、行き詰まりを感じた際は決まって赴くようにしています。

 

メモに取ったアイデアを少し整え、「着想ではあるのですが」と前置きをしたうえで、勢いを活かしその場で顧客へ提案すると高い確率で興味を持ってもらえ、その後正式な提案としてまとめて受注となることが少なくありません。

 

ざっくりとした感覚値では7割ほどの確率で、着想から提案、そして協議から実行へと移ります。

 

決して最初の提案の質が高いわけではありません。

 

ではなぜそれほどの勝率が得られるのか。

 

私の場合、会社勤めされている方とは前提と、数(量・回数)、取組む期間が違うのだろうと推測しています。

 

前提として、初期提案はその後の改善が前提となっています。この点は会社勤めされている方も同じでしょう。しかし、提案の量と回数は、経営企画という役割を担うことが多い立場上、「常に上回っている」の言葉が適切です。内容は業務改善のためのプロセス管理や人事、その他各種制度に関するものが多く、ほぼ毎日複数を同時に企画しています(それだけ中小企業には余白が多いということでしょうね)。

 

提案内容の伝え方には工夫をしますが、最初の提案ではまだ3割ほどの完成度です。その程度の完成度でも提案を出せるのは、そこから何度も修正を繰り返し、双方のアイデアによって完成へと到達させることを前提としているからです。それにより3割の完成度でも安心して提案が行えるため、提案量も増えるのでしょう。

 

ではその提案のためのアイデアのタネをどのように着想するのか。これにはいくつか自分自身で整えなければならないものがあると思っています。

 

冒頭で私はスポーツジムで前向きなアイデアが湧くとお伝えしましたが、ジムはジムでも、事務所で作業に手を取られている状況では、作業という仕事に関連するアウトプットをしながらなので、「場」そのものが良い提案を浮かばせるものではないと感じることも多く、そもそも思考がつまらないというか・・・。

 

行動と思考は、ほど良い距離感を保つことが理想なのかもしれません。

 

あとはシャワーしながらだとアイデアがよく浮かぶという話はよく聞きますが、実際にそうだと実感しています。朝の起き掛けや、顔を洗っているときなどにもアイデアが浮かぶことがありますので、枕元や手元に必ずメモを配置しています。

 

今では携帯電話の音声入力もずいぶんと性能が良くなったので多用します。

 

・身体の調子が良いからジムに行くのではなく、ジムに行くから身体が元気になる。

・気分が良いからウォーキングするのではなく、ウォーキングするから気分が乗り始める。

・アイデアが湧くのを待つのではなく、アイデアを求めて行動を起こす。

・ジムでのウォーキングで、汗をかきながら学びの動画コンテンツを視聴することで新しい前向きな着想を得る。

 

行動と思考を分離させた「ながら」の効能ではないかと考えています。

 

ただし、会社勤めをされている方がこのように仕事以外の時間を割いてまで業務に関することを考える必要があるとは思っていません。

 

アイデアは、「環境」と「行動」と「思考」、この3つの距離感の「間」を整えるのがコツであると、お伝えしたかったまでです。

 

参謀 青木 永一

このコラムの著者:

参謀青木 永一

参謀の特長
ベルロジック株式会社 代表取締役 経営学修士(MBA)メンバーの中でも、異色の経歴を持つ。 前職は、事業者向け専門の「ナニワの金融屋」であり、30代後半までの15年間の経験の中で、約500社を超える倒産と間近に関わってきた。 自称 マネジメント数学研究家(暇さえあれば、ビジネスと数学の交わり方をユーモアたっぷりに伝える工夫をしている)。