コラム

参謀 青木 永一

惰性と習慣の違いについてあれこれと考えを巡らせてみた

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思うところがあり、惰性と習慣の違いについてあれこれと考えを巡らせてみました。

 

学術的な回答はともかく、自分の日々の行動に照らし合わせて言語化すると、その行動を自らが日々新たに、主体的に引き受けているかどうかの違い、ひとまずはそんな言葉でまとめてみました。

 

うまく説明できる自信はありませんが、巡らせた考えの痕跡を言語化して残しておきます。

 

多くの場合、仕事が惰性では人生そのものが惰性に成り下がるんじゃないか、そのように考えています。もちろんプライベートもそうなんでしょうけど、多くの人は仕事に費やす時間が1日のうち10時間前後なので、睡眠を除けば大半を占めますよね?

 

なので、仕事を軸に考えてみます。

 

惰性的にならない生き方を選択するためには、ある意味「落ち着きがない」と表現される類の性質を持ち合わせていないと難しいかもしれません。

 

経営者(だけとは限りませんが)というのは、日々の生活面においては意外と「惰性」が多いのではないかと思われますが、仕事においては自分が誰かの役に立ち、いわゆる「カッコイイ存在」になれていることを実感できると、その虜になってしまうものではないか、このように考えています。

 

あくまで極論ですが、
プロデュースも、演出も、役者も、全部が俺っ!のような感じです(小さな会社の社長さんの話です)。

 

期待されて、それに応えようと必死になり、そして明確に応える。

 

こうなると、行動していること自体が自分を動かす動機(動力)となります。

 

となると、身体に続いて右脳も左脳も活発に働き、次の企画が生まれ、提案に至ります。

 

その行動に信用が与えられ、信頼関係が構築される。

 

そして、報酬を受け取る。

 

このような好循環な環境では、お金は継続するための条件にしか過ぎないという認識に落ち着きます。

 

ですが、そんなスポットライトの裏側では、経営者には次の期待に応えるための意外な一面があることをご存じでしょうか。

 

それは、遊びから、情報から、何気ない会話から「何か」を得ようとする情報集約の執念です。

 

とても動的な様子がしますが、実はそれはとても静かな姿です。

 

私自身も学びの範囲はセミナーや書物などさまざまですが、半分趣味的に小学生の算数や社会、中学や高校の数学、歴史のオンライン授業などから非常に多くの気づきを得ています。

 

これらは、社会を知る側の立場から学習しているので、まだ社会経験のない学生の学びとは異なるはずです。あと、ときどきですが絵本もあれこれと読みあさります。もちろんビジネス書も多く利用します。ですが、巷にあふれる手法論は現状の課題に合致していなければ眠たくなるので表層をなぞるだけにとどめます。自分の記憶力の残念さからして物知り博士には到底なれないことをわかっています。

 

自分が心の奥底で拭い切れずに抱えて込んでしまったコンプレックスを克服するため、また顧客から選ばれ続けるため、同業者に負けないため、移動の運転中も、トイレでも、シャワー時でも、ほとんど毎日落ち着きなく顧客の課題解決につながりそうなヒントを得るために学びを貪(むさぼ)り、施策を考え続けています。

 

それにもかかわらず思惑が外れることのほうが多いのですが、自分が天才ではないことを自覚して、的中する確率(割合)を上げるために考える量、すなわち分母を稼ぐ思考と行動、そこへの労力は惜しんでいられません。

 

誰から見ても落ち着きがないと思います。

 

しかし、こうやって仕事に取り組んでいると、仕事が惰性になんてなり得ないんです。

 

となれば、人生も惰性になんてなり得ません。

 

プライベートのほうは惰性が目立ちますが、それは休息のようなものですね。

 

仕事をしていると、自分のためにやっているのか、顧客のためにやっているのかという愚問について考えてしまうこともありますが、結論は「情けは人の為ならず」が着地場所です。

 

どちらにせよ、向き合う相手(顧客)と期待値を合わせ、双方が認めあえる「最適解」を形作っていくことが仕事に必要な姿勢と取組み方です。

 

仕事に追われることが多い日々を主体的に引き受け、少しでも惰性を遠ざけることが選ばれ続けるコツなのかもしれません。

 

参謀学Lab.研究員 青木 永一

このコラムの著者:

参謀青木 永一

参謀の特長
ベルロジック株式会社 代表取締役 経営学修士(MBA)メンバーの中でも、異色の経歴を持つ。 前職は、事業者向け専門の「ナニワの金融屋」であり、30代後半までの15年間の経験の中で、約500社を超える倒産と間近に関わってきた。 自称 マネジメント数学研究家(暇さえあれば、ビジネスと数学の交わり方をユーモアたっぷりに伝える工夫をしている)。