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- インターネット広告代理店 営業 顧客の課題に対してインターネットを用いたプロモーションを提供
コラム
参謀 利田 幸弘
マーケティングって何?
経営者は社内のありとあらゆる問題に対してどう取り組むか考えなければなりません。私の知人の小規模経営者の方も、実際ほぼ何でも屋です。
経営者ですが、営業でもあり、人事でもあります。その知人の経営者から「マーケティングって結局何?」と質問をされました。
そこで、今回は「マーケティング」という抽象的な言葉をできるかぎり具体化してみたいと思います。
目次
マーケティングを一言で言うと
経営学者で有名なピーター・ドラッガーは著書『マネジメント エッセンシャル版』の中で、「マーケティングの理想は販売を不要にすること」と言っています。よく名言としてインターネット記事で取り上げられてはいるものの、「販売を不要にする」とはどういうことでしょうか。
販売を不要にするとは「営業活動をなくす」ということです。つまり営業を行わず、モノを売るわけです。では改めて、営業とは何でしょうか。
- 商品を買ってくれる顧客を探す
- 顧客にアポイントを取る
- 顧客のもとに向かい、商談を行う
細かく言えばキリがないですが、顧客を探し、商談を重ね、商品やサービスを販売することです。ドラッガーが理想とするマーケティングはこの一連の流れをなくし、「顧客が自社商品・サービスを認知し、購入すること」です。
この理想に近づくために、私たちはどうすればよいのでしょうか。
マーケティングのプロセス
前述したように、マーケティングを実行するには自社商品と顧客を結ぶ必要があります。自社商品を購入する顧客はどのような人なのか、その顧客は自社商品のどのようなところに魅力を感じるのか、どこで接点を持ちどこで購入するのかなど、考えなければならないことは多くあります。これらを整理すると、下記のような手順になります。
- 自社が属する業界を分析し、業界における勝ちパターンを分析する
- 自社の資源を整理し、強みと弱みを把握する
- 自社の課題を把握し、理解した上で、競合戦略を構築する
- 業界の中でも戦うことができる市場を特定し、そこに属する顧客を分析する
- 商品に対して、顧客に思い描いてもらいたいイメージを構築する
- 上記を実現する商品設計、価格設定、流通網の構築、宣伝活動を組み立てる
ここまででお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、マーケティングは一言で片付けることができません。カードゲームに例えるなら、ルールを覚え、自分の手札や状況に応じて攻略方法を変えながらクリアを目指すということです。本当は先ほど挙げた①から⑥の各項目の詳細を説明したいところですが、また改めて今後のコラムで紹介していきたいと思います。なぜならシンプルに複雑だからです。①の業界分析だけでも複数挙げられます。例えば以下のようになります。
- 業界をどう定義するか(例:ダイエット市場であればサプリ、有酸素運動など定義次第で変化する)
- 業界の成長度はどうか(例:伸びるのか、現状維持か)
- 業界の売上規模はどれくらいか
- 業界は取り巻く環境によりどのような変化があるか(例:政治や法律、技術革新)
- etc
マーケティングはモノが売れるための仕組み作りですが、その構築は容易ではありません。ただ単に先ほど挙げた①から⑥のプロセスを穴埋めしたら機能するわけではないのです。
最後に
冒頭の話に戻りますが、知人の小規模経営者に「マーケティングとは顧客が商品を認知し、購入するための仕組みづくり」と伝えたところ、「理解はできるが面倒」という反応でした。
たしかにそうかもしれません。
マーケティングのプロセスを経て行う施策よりも、既存の顧客に販売するほうが短期的には売上に繋がります。ただ、それではじり貧になっていき、早々に手を打たないと何もできない、最悪の場合は事業撤退を余儀なくされるといったことは、多くの人が経験しているのではないでしょうか。だからこそ、面倒でもマーケティングは必要不可欠なのです。
今回はマーケティングってそもそも何なのかについて取り上げました。今後もこのコラムを通じて、マーケティングをかみ砕きながらお伝えしていければと思います。