- 参謀の特長
- 人材サービスのベンチャー企業において、企業法務を中心に経営管理業務を行う。企業法務だけにとどまらず、社内の管理体制の構築に従事。
コラム
参謀 岡田 将士
スムーズな会議をするために必要なこと
「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあります。これは、ビジネスにおいては「会議」の場面を表すことわざと言えるでしょう。しかし実際は、「会議では何も決まらない」「集まるだけ時間の無駄」と言われることが多くあります。
本来、より良い意思決定をするための場である会議ですが、どうして無駄な場であると言われるのでしょうか。
目次
何も決まらない会議
「何も決まらない会議で集まるだけ無駄だった」となってしまう典型例を見てみましょう。
「新商品の販売価格」を決定するための会議で、以下のとおり5人が積極的に意見交換しています。
A「競合X社が類似商品を1,500円/個で販売しています。X社からシェアを獲得するためにも、X社より安い価格に設定したいですね。」
B「利益をきちんと確保するため、最低でも1,450円以上にしたいです。」
C「1,450円未満だと利益が十分出ないのは、原料価格の値上げが原因だと思います。仕入先の見直しが必要だと思います。」
D「仕入先なら、Y社から安く仕入れられそうだと購買部から聞きましたよ。」
B「Y社か…。あそこは納期が遅れがちだと聞いたことがあります。Y社に変えるとしても、納期をどうやって管理するかが問題ですね…。」
様々な意見が出され、最終的に予定していた1時間が経過し、終了となりました。
皆さんは、このような会議をどのように思われるでしょうか。
なぜ何も決まらないのか
上記の例では、「新商品はいくらにすべきか」という議題に対して、価格の話から始まり、コスト削減の必要性、仕入先見直し、仕入先の管理方法まで、様々な意見が飛び交っています。これは「何も決まらない会議」でよく見受けられます。
議論が拡散するうちに何について話しているのかわからなくなり、最終的に終了時間がきてしまう、というパターンです。
上記の例のように、各自が積極的に発言しているのは良い傾向ですが、あまりにも自由な発言が続いてしまうと、収拾がつかなくなります。
有意義な会議にするには何が必要か
そもそも、会議で何を議論するのか、終わる時点でどうなっていたいのか、といった「会議のゴール」「到達点」を明確にしましょう。
会議を終えた時点で、自分を含め参加者がどのような状態であることが理想なのかをまず明確にすることで、会議で議論するべき点、必要がない点が明確になります。
そして、「会議のゴール」を会議の冒頭で参加者と共有することが最も重要です。これにより、参加者の目線が合い、的外れの発言を減らすことができ、会議で発生する無駄な時間が削減できます。
議論の発散すべてが悪いわけではありません。会議の目的が「意見出し」であれば、自由に様々な意見が出されることは目的どおりです。
このことからも、会議の進行が間違っていないかを図るためにも、会議のゴールを設定することは重要です。
さいごに
スムーズな会議になるかどうかは、司会者などのさばき方・まとめ方による、と考えられがちです。しかし、実は会議の目的を設定すること、議論すべき論点を事前に洗い出すことなど、事前準備を行うことが何より大事なのです。
会議の参加者の知恵を結集し、より良い意思決定を行うため、会議で目指す到達点はどんな状態か、そのためには何を議論すべきかを明確にすることを意識してみてください。