コラム

参謀 川勝 洋輔(ビジネスネーム)

あなたの会社が売っているものは?

「あなたの会社は何を売っていますか?」

 

そう聞かれたら、どのように答えますか?例えば、車の資材、食品、エステ…色々ありますが、それらは本当に顧客が求めているものでしょうか?今回は、顧客の価値について考えたいと思います。

 

顧客は何を買うのか?

 

顧客のことを考えてモノ・サービスを提供する、当たり前のようで難しいものです。競合の動向は気になるし、場合によっては、他社に勝つためにコスト度外視で仕事を受けた、なんてこともあるかもしれません。気がつけば、他社との価格競争に明け暮れる日々になっていないでしょうか?

 

そんなとき、原点に立ち返って考えたいのが、冒頭の「あなたの会社は何を売っていますか?」の問いです。この答えは、車の資材、食品、エステ…などのような実際のモノ・サービスではありません。それらを通じて顧客が解決したい「何か」、です。例えば、ジムに行く人は、ジムで体を動かすことが目的ではなく健康維持や美容などを目的としているかもしれませんし、コーラを飲む人の目的は、気分のリフレッシュかもしれません。そして、その目的は一つではなく、時間やタイミング、人によっても変化します。つまり、実際のモノ・サービスは、顧客の目的を解決するための一つの手段で、その顧客の目的をいかに理解し、それを自社のモノ・サービスがどう解決出来るかが大切なのです。

 

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、日々の実務をこなしていると、つい忘れがちな部分です。以下、二つ例を挙げて考えてみます。

 

 

Under Armourとミルクシェイクの例

 

Under Armour(以下、UA)

UAと聞いて、何をイメージするでしょうか?スポーツ用品、とりわけアメフトなどの筋肉質の方が着用するタイトなスポーツウエアというイメージを持つ方が多いかもしれません。では、UAが売っているのはタイトなスポーツウエアでしょうか?先ほどの問いに沿って考えてみると、これでは不十分です。顧客が解決したい「何か」、そしてUAが解決できる「何か」を紐解いていく必要があります。結論から伝えると、UAの場合、その「何か」とは「自分の体を強く見せること」、更には、「強さへの憧れ」などになります。それらを解決してくれるものがUAなのです。UAは顧客のその心理を把握し、そこを突くことで、競合他社と独自の差を打ち出し、成長をしてきました。

 

『ジョブ理論』のミルクシェイク

UAのようなブランドでなくとも顧客が解決したい「何か」を把握することは可能です。近年人気のある書籍『ジョブ理論』では、(アメリカのケースですが)ミルクシェイクを例に挙げています。ミルクシェイクが顧客の何を解決しているかを調査した結果、出てきた答えは二つでした。一つ目は、朝に車で通勤するビジネスマンが朝食と昼食の間の空腹を埋めることが出来、すぐになくならずに時間がつぶせる、といったものでした。バナナはすぐに食べ終えてしまい、ドーナツではくずが落ちてしまいます。そんな中、ビジネスマンの解決したい「何か」を解決できるものがミルクシェイクでした。また二つ目は、子ども連れの親が子どもに与えちょうどいいご褒美、という捉え方です。子どもは日々、いろいろなことを親にせがみます。おもちゃ、テレビ、一緒に遊んで…等々。その中で、ミルクシェイクが親にとってちょうどいいご褒美でした。なお、この場合、ミルクシェイクのライバルは玩具店やテレビ番組、お父さんとのキャッチボールの時間などが挙げられます。

 

 

まとめ

 

では具体的に、どうやってその目的を探るかは、長くなるのでまた改めてご紹介をしますが、興味のある方は、近年話題の『ジョブ理論』や「ドリルを売るには穴を売れ」等の書籍をお読みください。(『ドリルを…』の方が、わかりやすい内容です。)

 

ただ、いずれにしてもこの「何か」は、一朝一夕には分かりません。アンケートをたくさん取ったから分かるものでもなく、常日頃から顧客と接し、想像力を働かせることで、紐解いていく作業になります。大事なこと、だからこそ簡単にはわからないと言いましょうか…。またそれ故に、多くの企業が出来ていない部分でもあります。あまり気負わずに、焦らず顧客と向き合う、長い気持ちで取り組む姿勢が大切です。

 

 

今回は、「あなたの会社が売っているものは?」について、顧客の価値について述べました。改めてまとめると、以下の内容です。

 

  1. 顧客は、目の前のモノ・サービスを買っているわけではなく、顧客自身の課題を解決し目的を達成するために、それを買っている。
  2. つまり、顧客の目的を理解することが大切。(そのアプローチは、また後日…。)
  3. とはいえ、目的を理解することは簡単ではなく、難易度が高いため、焦らず気負わず向き合う姿勢が大切。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

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