- 参謀の特長
- 人材サービスのベンチャー企業において、企業法務を中心に経営管理業務を行う。企業法務だけにとどまらず、社内の管理体制の構築に従事。
コラム
参謀 岡田 将士
ひみつ道具と法的知識の関係
ドラえもんを知らないという方はいないのではないでしょうか?
のび太や他の仲間がピンチの時、ぴったりのひみつ道具を四次元ポケットから取り出し、切り抜けていきます。
実は企業活動における法的トラブルの解決においても、この構図がぴったりとあてはまるのです。
今日はひみつ道具になりうる法的知識の重要性について考えたいと思います。
目次
ひみつ道具の選び方
目的地に簡単に行きたいときはどこでもドア、過去・未来にタイムスリップしたいときはタイムマシン、空を飛びたいときにはタケコプター、といったように、ドラえもんはその状況に応じてぴったりのひみつ道具を取り出します。
なぜその場にぴったりの道具を選べるのでしょうか?
それは、彼が「自分がどんな道具を持っているか」「その道具はどのような効果があるのか」をしっかり把握しており、そのうえで今の状況を正確に捉え、その状況とひみつ道具の効用を照らし合わせて、最適な道具を選んでいるからです。
企業活動における法務の位置づけ
企業活動において、取引先や顧客とトラブルになることがあります。
販売した商品の代金を払ってくれない、代金の金額の認識相違など、トラブルの内容は様々です。
こうしたトラブルが起きた際、まずはお互い話し合って解決を図ります。
その際に最低限の法的知識があれば、それを使って相手との交渉を有利に進めることができます。
ひみつ道具と法務の関係
法的トラブルを考える手順は、ざっくりですが以下の流れになります。
- 今どんな事象が起きているかの把握
- その事象に当てはめる法律・法的知識の選択
- 事象の当てはめによる結論の導出
この中で、2.の「当てはめる法律・法的知識」に、ドラえもんでいうところのひみつ道具が当てはまります。
困難な状況に陥った時に、自分を助ける法的知識(ひみつ道具)を持っていれば、それを使って困難な状況を乗り切ることができるでしょう。
最低限の法的知識をもち、それを適切に活用してトラブルを解決することは、ドラえもんがひみつ道具を使ってピンチを乗り切る構図と同じなのです。
ご参考:トラブルに勝つためには
トラブルに関して相手と交渉し平行線になった場合、専門家に相談することも出てくるかと思います。
しかし、専門家に相談すれば、必ず自身に有利な解決になると考えるのは危険です。
なぜなら、あくまでも法律が自身に有利に働くのは、日ごろから「備え」ができていればこそ、だからです。
例えば商品代金の支払いでトラブルになった場合、その支払いを裏付ける契約書(見積書、注文書など)をきちんとそろえておけば、トラブルになっても勝てる可能性が高くなります。
※この点については、別コラム「法的トラブルに勝つための準備」をご参照ください。
法的知識の重要性
上記のとおり、自身でトラブルを解決する場合でも、専門家に相談して解決する場合でも、自身の事業に関わる法律については、最低限知識を持っていることが非常に重要です。
難しい、よくわからない、という抵抗感を持っていたり、そうした知識は専門家が持っていればよい、と考えたりする方もいらっしゃるかもしれませんが、自身の事業に関わる法律は積極的に知識習得することをおすすめします。
さいごに
法律は事業活動と切っても切れない関係にあります。
難しそう、興味がない、と自身から遠ざけるものではなく、むしろ自身の助けになるものとして、積極的に情報収集・知識習得すべきものと言えます。
参謀-Linksでは、各参謀の経験から事業活動に役立つ法的知識の勉強会も開催していますので、ぜひご活用ください。