コラム

参謀 青木 永一

固定観念の呪縛をひも解くカギは、世代を超えた人気アニメキャラクターの正体にあり!【前編】

本コラムは、【前編】 【中編】 【後編】に分かれています。

お時間の許す時に、それぞれをご自分のペースで読み進めてください。

 

 

それなりの年数を生きていれば、人の話を聞いたり、何か問題に直面した際にこれまでの経験や蓄えてきた知識を土台に、思考や行動が一定のパターン化された反応的な対応になっていることはないでしょうか。

 

パターン化された思考や行動は、時間的な効率性の良し悪しにおいては、ショートカット的な効果が得られるため「楽さ」があります。

 

例えば、

定のルールに則った方法で行う作業や、人や物事に対する「好き」「嫌い」などは、顕著な例ではないでしょうか。

 

他には、

あの人の怒る姿がすぐに想像できる

 

その相談ならばあの人だ

 

など、人となりの特徴や傾向も把握しやすいため、人付き合いを潤滑にする効果があるでしょう。

 

しかし、一方では画一的で面白みに欠けた評価に落ち着く反作用の危険性もはらんでいます。

 

このことへの指摘は、親しい間柄でも直接伝えられることは少ないので、注意が必要です。

あなたらしい

 

そう言うと思ってた

 

のような言葉は「期待どおり」と言った安心の意味があると同時に、裏側には実は

 

「発展性がない」

「意外性がない」

 

のような意味が暗に潜んでいるかも知れません。

 

パターン化のすべてを悪だと言うつもりはありませんが、せめて自覚的ではありたいものです。

 

今回は、パターン化をあえて「悪」とした極端な立場で意見をお伝えしながら、これからの自分自身やチームの理想的な「あり方」について共に考えてみたいと思います。

 

 

関係性を歪める固定観念と経済成長期の関係性

 

経済的な発展が45度の右肩上がりの時代、80年後半から90年頃までならば、過去の延長線上に未来予想図を描けたので、思考と行動のパターン化は相性が良かったと思います。

 

ですが、もはや「昔ばなし」です。

 

「未来は不確実である」とは誰もが理解していることですが、パターン化の範疇で考え行動している限りにおいては、さほど不確実でもありません。

 

時代環境に見合った結果に着地する傾向が強いことから、待ち受ける未来は不確実ではなく「落ちる」の一択です。

 

これは、不確実に対するアンチテーゼが無意識に働く結果だと言えるでしょう。

 

アンチテーゼとは、 ある主張に対してそれを否定する内容の主張のことを指します。

 

ここでは「未来は不確実」という主張に対する否定=思考や行動をパターン化することで安定性を担保しようとする無意識の主張と捉えてください。

 

 

自分の視点、視野、視座の固定化は、長年にわたって蓄積されてきた結果の産物ですから、無意識に自分の中に「そう安々と変わってたまるものか」「我こそが正義」と言わんばかりの、排他的な固定観念が潜んでいるものです。

 

他人への攻撃性を孕(はら)んだ、保身の論理と言えるかもしれません(冒頭に申し上げているとおり、あえて「悪」の主張です)。

 

 

他人の意見も自分と同じく、経験や努力の賜物である知識を土壌として、視点、視野、視座から絞り出されて表層に浮かび上がった水滴のようなものです。

 

そこに至る背景、培(つちか)われてきた物語にこそ本質が潜んでいることを理解し、知ろうとする好奇心を持つことは、生きることそのものを面白くさせる一つのコツです。

 

続く【中編】では、身近な例で自分の中に潜み、未来への可能性を巣食う(≠救う)固定観念を観察してみましょう。(巣食うと救うの語呂遊びが我ながら面白い)。

 

固定観念の呪縛をひも解くカギは、世代を超えた人気アニメキャラクターの正体にあり!【中編】へ。

 

参謀 青木 永一

このコラムの著者:

参謀青木 永一

参謀の特長
ベルロジック株式会社 代表取締役 経営学修士(MBA)メンバーの中でも、異色の経歴を持つ。 前職は、事業者向け専門の「ナニワの金融屋」であり、30代後半までの15年間の経験の中で、約500社を超える倒産と間近に関わってきた。 自称 マネジメント数学研究家(暇さえあれば、ビジネスと数学の交わり方をユーモアたっぷりに伝える工夫をしている)。