- 参謀の特長
- 10名前後の管理職としてマネジメント業務を行いながら現場業務にも携わるプレイングマネージャーとして、ECサイトにおける企画から運用・広告といった全般の業務に従事。 今までの現場の実務経験にMBAの学びをプラスし、経営現場をサポートします。
コラム
参謀 闇雲 卓
アフィリエイト広告を知っておこう【インターネット広告入門編5】
前回は、純広告についてお話をしました。
今回はアフィリエイト広告です。
目次
アフィリエイト広告とは
アフィリエイト広告とは、第3者に広告してもらい、その広告の成果に対して報酬を支払う成果報酬型の広告です。
広告主の立場から見てみましょう。
- 広告掲載依頼:広告主が自分の商品やサービスの広告依頼。
- 広告掲載:アフィリエイター*がホームページやブログ記事に掲載。
- 購入:広告が掲載されているサイトの訪問者(インターネットユーザー)がその広告をクリックし、商品やサービスを購入。
- 報酬支払:広告主の利益となり、その成果として広告主がアフィリエイターに報酬を支払う。
*アフィリエイトをする人のことをアフィリエイターという。
※1で、逆にアフィリエイターから広告を掲載したいという場合もあります。
広告主とアフィリエイターの関係イメージは次の通りです。
みなさんも普段よくアクセスするホームページやブログなどで、商品やサービスの広告が掲載されているのを見たことがあるではないでしょうか。
ブログやサイトの運営者の立場からすると、自分のブログやサイトに商品の広告を掲載し、その広告を経由して商品が購入されれば、お礼として報酬を得ることができるということです。
アフィリエイト広告の仕組み
ここまで広告主とアフィリエイターの関係性からアフィリエイト広告を説明しましたが、実施に広告が掲載されるまでには広告主とアフィリエイターの仲介役であるアフィリエイト・サービス・プロバイダー(頭文字からASPと通称されています)の存在が不可欠です。ここでアフィリエイト広告に登場する関係者を整理してみましょう。
- 広告主:アフィリエイト広告で掲載依頼することで、商品やサービスの売上として成果を得る。
- アフィリエイター:自分のサイトなどで広告を掲載し、インターネットユーザーがその広告を経由して商品・サービスを購入するという成果を上げることで報酬を得る。
- アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP):広告主とアフィリエイターを仲介し、両者の成果を上げることで広告費を得る。
- インターネットユーザー:アフィリエイト広告をクリックし、商品やサービスを購入してその価値を得る。
広告主・アフィリエイター・ASP・インターネットユーザーの関係性イメージは次の通りです。
では、コスメを売りたい広告主を例に、アフィリエイトの一連の流れを見てみましょう。
【具体例】
- コスメを扱う広告主が、「新発売のコスメ商品を売りたい」と思い、ASPに広告を登録する。
- ASPに登録しているアフィリエイターが、自分のサイトに適した広告を探し、1の広告掲載を決める。
- アフィリエイターが、自分のサイトに広告を掲載する。
- アフィリエイターのサイトにアクセスしたユーザーが、その広告をクリックして、コスメ商品を購入する。
- その成果データがASPに送られ、ASPからアフィリエイターへ報酬を支払われる。
- 広告主は、成果分の広告費をASPへ支払う。
成果はASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)次第
アフィリエイトを行うにあたり、重要な役割を担っているのが、ASPです。
基本的に、広告主がアフィリエイターと直接交渉などをすることはありません。ASPが、アフィリエイターと広告主の間に立ち、広告配信をするためのシステム提供や成果報酬の支払い代行などの仲介を行います。
広告主はASPと良好な関係を築くことができれば、多くの成果を上げているアフィリエイターを集めてもらえたり、より成果が上げられる提案をもらえたりなど、集客に力を入れてもらえます。
なぜなら、広告主が支払う成果報酬にはASPのマージンが含まれているからです。つまり、広告主との良好な関係があり、大きな成果が得られる商品が得られる商品・サービスの広告であれば、ASPも特に注力するわけです。
では成果報酬について、もう少し説明しましょう。
成果の種類と報酬条件
アフィリエイトの成果の種類には大きく分けて「クリック報酬型(CPC広告)」と「成果報酬型」の2つがあります。
クリック報酬型(CPC広告)
広告がクリックされるだけで報酬が発生する広告です。アフィリエイターからするとハードルが低いといえますが、その反面、報酬単価も低く、高収入を狙うアフィリエイターにとっては期待しづらい場合があります。
成果報酬型
クリック先の広告主ページで商品購入などに至った時点で、あらかじめ設定した条件で報酬が支払われる広告です。
報酬条件は広告主によって異なります。よくある条件としては
- 購入金額に対しての一定比率 : 【例】定率30%で、1万円購入された場合の、報酬は3千円
- 購入した数に、成果単価を掛け合わせる : 【例】単価1千円で、100個購入された場合の、報酬は10万円
アフィリエイトというと、「報酬条件(報酬金額が発生する条件)=商品購入」というイメージが強いかもしれません。商品購入だけではなく、会員登録や資料請求が報酬条件であることもよくあります。アフィリエイト初心者は、報酬条件のハードルが低いものを自分のサイトに掲載する傾向があります。それは成果が発生しやすく、取り組みやすいイメージがあるからでしょう。
※ただし、報酬条件のハードルが低い「会員登録や資料請求」などよりも、報酬条件のハードルが高い「商品購入やサービス利用」などの方が、報酬金額が高い傾向にあります。
広告主の立場でのアフィリエイト広告のメリット・デメリット
最後に、広告主にとってのアフィリエイト広告のメリットとデメリットを挙げます。
すぐに大きな成果が期待できる広告ではありませんが、これらからインターネット広告に注力する予定であれば、このメリット・デメリットを頭の片隅に入れて、チャレンジしてもらえれば、失敗する可能性は低くなるはずです。
メリット
- 広告主が直接広告するのではなく、アフィリエイターが広告掲載するので、ユーザー目線の広告内容が期待できる。(クチコミ、いちユーザーとしての記事形式などの場合)
- アフィリエイターやASPが成果を上げられる商材だと判断してもらえれば、自発的に成果を上げるための努力をしてもらえる。
- 広告主が自社で広告する以外でも、広告が展開され、自社商品の露出増が期待できる。
デメリット
- 成果が上がる広告と判断してもらうために、広告をクリックした際のリンク先の広告主ページに工夫が必要となる。
- アフィリエイターやASPに注力してもらうには、報酬額を上げるなどの調整が必要となる。
- ASPに特に注力してもらうために、頻繁にASPとコミュニケーションをとることが必要不可欠で、そのためのリソースがある程度必要となる。
- アフィリエイターの広告をコントロールすることがほぼ不可能。
- コントロールができないため、アフィリエイターの広告内容次第ではブランド毀損となる危険性がある。
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